町家改修で注意したいこと
京都は昨日から雨模様。本日の鴨川も雨が降っています。
さて、工事も中盤に、テナントの地面部分をコンクリートで作ってもらってます。
現在は、乾燥を終えたところです。
このテナントは、京町家を改装して設けたのですが、町家の造りは、各家によって様々な問題があるようです。
これから、町家を回収して事業を始めたい方や、町家をリフォームして住む予定の方に、今回のテナント改装工事で注意したかったことをお話しようと思います。
町家の造りは予想外
長い年月を重ねて、持ち主が変わるとともに、改修を続けてきたからもあるのでしょう。
町家は想定していた造りとは違うことが多いようです。
例えば、このテナントの天井は、天井裏を開けると、他の部屋とつながっている変な造りになっていました。
ライフラインの管は、通常の住宅で考えると、あり得ない大きい管を使っています。
ですので、管を移動し、天井の造りも変えることにしました。
改修前の事前調査ではわからなかったことが、次々に出てきます。
面白味もありますが、工事の手間等が増えるため、とことん相談に乗ってくれる業者にお願いするのがいいでしょう。
費用面や時間なども余裕を持って気をつけておきたいところです。
隣の家との壁問題
京町家の多くは、狭い道路沿いに建っていることが多いです。
また、両隣の家に壁が接して建っていたり、連棟の「長屋」の場合もあります。
今回のテナント改装では、問題にならなかったのですが、壁を共有している際には必ず気をつけたいことがあります。
隣接する住宅への改装時の音問題
壁を共有しているということは、隣に立っている家に比べて壁が1つしかない分、音を気にする必要があります。
テナントにする際には、飲食店での夜間の話し声も気にしたいところです。
工事の際には、事前に説明や挨拶は必ず行うようにしましょう。
改装(改修やリフォーム)にするか、建て替えになるかで変わること
また、仮に建て替え工事をする場合には、建て替えたのちの建物は、隣家と数十センチ離さなくてはいけない規定があります。
今ある壁を、切り離す必要が出てきます。
ですので、家が必然的に狭くなります。
そして、今まで接していた住宅の壁の補強は、隣接する片方の住宅が離れたため、補強と離れた壁側の面の塗装等が必要になります。
通常では、建て替えた側が費用を持つことになるので、建て替え検討する際には、確認しておきましょう。
道幅が狭い
道幅が狭いために、解体工事も家の大部分となると、それなりに費用がかかってしまいます。
また、業者の車両は、都度、停められないことで、廃材を運ぶ際にも費用や手間がかかる場合があるとか。。
近隣の方々にご迷惑をかけることは多いため、必ず改修前には、ご挨拶に伺うようにしましょう。
また、全面道路が狭い場合に、建て替えを検討する時に気をつけたいことがあります。
セットバックといって道路の幅を広げるために家を建てられる敷地が更に狭くなる場合もあります。
町家の場合は、建て替えの際に、建築する面積が狭くなることが多いため、十分に検討することをオススメします。
古いからこそ良い物も
このように、改修するには思っていたよりも手間がかかることは多いようです。
もちろん、古いから、改修が必要な場所が多くあります。
ですが、昔の木は、現在の建築に使用されている材料に比べて価値があるものも多いです。
今回のテナントも出来る限り町家の雰囲気や、使っているものを残したいと考えました。
弊社では、以前の住居で使用されていた格子を再利用することに。
皆様も、町家を改修する際には、現在の建築材料の良し悪しを理解してくださっている施工業者や工務店の方にお願いすることが理想ではないでしょうか。
まとめ
町家の改修には、気をつけることや、難しいことは多くあります。
ですが、町家には魅力も多くあります
予想外な造りを見せてくれる、町屋ですが、改修をされる場合は、1つ1つを親身になって相談に乗ってくれる工務店や業者を選ぶことがいいのではないでしょうか。
見積もりは、業者によってピンからキリまでありますので、相見積もりを必ずとって、納得ができるまで検討して進めることが大切です。
町家に住みたい方、今後テナントに改装されたい方のお役に立てば幸いです。